TED Talks : Sheena Iyengar on the art of choosing
を見てちょっと面白かった実験の紹介.
詳しくはリンク先の動画を見た方がいいです.これ以外の話も面白い.
選択の自由のパフォーマンスへの影響についての実験
7歳~9歳の子供を3つのグループに分けて,一定時間アナグラムを解かせる.アナグラムには動物,食べ物等のジャンルがあり,答えを書くためのマーカーにも何色か種類かある.その際,
グループ1:自分でジャンルとマーカーを選ぶ
グループ2:スミス先生(実験部屋にいる他人)がジャンルとマーカーを選んだと思わせる
グループ3:母親がジャンルとマーカーを選んだと思わせる
とグループ毎に条件を変える.実際はグループ2とグループ3にはグループ1の子供が選んだ組み合わせでアナグラムを解いてもらうため,問題の内容に差はない.
アングロサクソン(英国系米国人)の子供
自分で選択をしたグループ1が,他人や親が選択をしたグループと比べて同じ時間内で2倍近くの数のアナグラムを解くことができた.
グループ2とグループ3に差はなし.
グループ3の子供は親が選んだということを恥ずかしく思った子がいた.(You asked my mother?)
アジア系アメリカ人の子供
親が選択したと思っている場合が最も良く,その次に自分で選択した場合,他人が選択した場合がもっとも悪い.
グループ3の子供に,ちゃんと言われたことをやった,ということを親に伝えて欲しいという子がいた.
結論
個人による選択が最善の結果をもたらすのは,その個人,その選択がはっきりと他人とわかれている場合.つまり選択はひとりで行うものだ,選択こそが自分を定義する行動だと思うように育てられた人の場合.全ての人が一人で選択することで良い結果を得られるわけではない.
感想
自分で選択したグループが全体的にパフォーマンスが良くなることは,得意なジャンル,好きな色を選択できる,という理由から理解できます.しかしアジア系の子供の結果は面白い.7歳の頃から,「親に恥をかかせてはいけない,頑張らなくては」という意識があるということでしょうか.そういう文化が根づいていて,結果としてパフォーマンスが上がる以上,誰か信頼している人,信頼されたい人に選択を委ねるのも悪くないかもしれません.
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